この一帯は江戸時代後期に海外貿易を中心とした商いを行った久富一門が軒を連ねていた町並みで、その町家の中にある参考館です。当主が陶磁器の製造販売を手がけながら収集した江戸時代の金襴手や染付、柿右衛門、色鍋島など質の高い作品が並んでいます。また卸団地内にあるアートギャラリー賞美堂には古伊万里をはじめ、明治期万博に出品された作品や薩摩の名品を展示しています。
| あのアンドレ・マルローも愛蔵していたことで知られるこの壷は、柿右衛門のもとでは最大のものであり、優美な形状に濁手(にごしで)と呼ばれる乳白色の柔和な釉肌と色鮮やかな青、黄緑の上絵彩色された唐人物文、花鳥文が印象的な作品です。この種の壷は、イギリスを始め西欧各地に類品の存在が知られています。1695年にはヨーロッパに既に輸出されていることから製作年代は1680年〜1690年。 |